2021年11月4日木曜日

実りの時を迎えるために

 実りの秋を迎えました。  お坊さんが身につけるお袈裟が水田の形に由来しているとされることをご存知でしょうか。これは「田に良い苗を植えて一生懸命育てれば、秋には多くの人々に実りをもたらすことができる。同じように、一生懸命に修行をすれば必ず大きな功徳を得られる」という教えを表しています。このことからお袈裟は「福田衣(ふくでんね)」とも呼ばれています。誰もが出来る、誰もが救われる教えとして、阿弥陀さまはお念仏の行を誓われ、お釈迦さまはその教えをお授けになりました。ですからお念仏をとなえることが苗を育てることであり、それはいつの日か必ずお浄土への往生が叶うという「実り」をもたらしてくれるのです。    ご家族に先立たれて以来、熱心にお寺に通われているお檀家さんがいらっしゃいます。お墓の前にきれいな花をお供えして、手を合わせて一心にお念仏をおとなえされています。その方はいつも「お寺に来ると気持ちがすっきりする。こうしてお参りができるのもお浄土にいる方たちのおかげです。」とおっしゃって、笑顔で帰っていかれます。きっと、先立たれた方がくださった、往生するための苗を、今大切に育てていらっしゃるのだと思います。    私たちは皆それぞれに、先立たれた方やご先祖さまから「良い苗」をいただいています。この苗が大きな実りとなるように、日々お念仏をおとなえいたしましょう。