2月15日は、仏教を開かれたお釈迦様の入滅(亡くなられた)日とされ、各地の寺院ではお釈迦さまへの報恩感謝を捧げる「涅槃会」が営まれます。お釈迦さまは29歳で出家し、35歳で「さとり」の境地を得られましたが、80歳で入滅したときをもって身体的な「苦」からも脱し、「完全なるさとり」、いわゆる「涅槃」に入られました。
「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす」(平家物語)。沙羅双樹は釈尊の涅槃を以て、色を失った白い花を咲かせたといいます。悲しみの白い花です。涅槃図では、多くの弟子たちの中、念仏の教えを授かった阿難尊者はさとりを得られる前であり、独り号泣し嘆き悲しむ姿で描かれています。大切な人との別れに戸惑い、立ちすくむ私たちの姿に重なって見えます。
2月から3月にかけて、当山でも立派な涅槃図を祀ります。ご自由にお参りください。
お釈迦さまの尊い姿を拝んで念仏に励み、暖かい春を共に待ちましょう。