2024年1月6日土曜日

 お正月に寺院で行われる修正会では、その年の天下泰平、万民豊楽等を祈ります。   人々の平安を祈る偈文に「祝聖文(しゅくしょうもん)」があります。   天下和順(国中すべてのものが和らぎ)、日月清明(日や月が大空に輝き)、風雨以時(時に応じて雨が降り、風が吹き)、災萬不起(災害や疫病が発生せず)、国豊民安(国や民は豊かにまたやすらかに)、兵が無用(武器を行使せずに戦うことなく)、崇德興仁(人々は徳を崇め、仁を興し)、務修禮譲(礼儀と謙譲の道にいそしむ)の八句です。   この偈文から私たちは反省しなければならないことがとても多いです。「兵が無用」について考えますと、世界は国際紛争が絶えず化学兵器の増産に向かい、原爆の存廃にも意見が対立しています。「日月清明」を希求する地球人が、人類、動、植物など、全生命を絶滅させてしまいかねない、現代の科学が到達した「兵が」の使用で自らの星を壊滅してもよいのでしょうか。武器は人間が創ったものですから、自らの手で「兵が無用」が実現できると信じています。   法然上人が浄土宗を開かれてから850年。世界の平穏とすべての人々の幸福を祈ることから、新しい一年を始めましょう。合掌