木々の葉も落ちはじめ、日に日に寒さが身に染みる季節となりました。夏があんなにも暑かったのに気が付けば年の瀬です。
そんなこの時期に行われる代表的な仏教の行事に「仏名会」「御身拭い式」「除夜会」、新年の「修正会」などがあります。いずれの法会も自身の行いを振り返り、心清らかに新たな年を迎えるための行事です。浄土宗には「愚者の自覚」という考えがあります。法然上人は比叡山で学問や修行に励まれていた時、「智恵第一の法然房」とたとえられるほど優秀でしたが、自らを「愚痴の法然房」と称されました。これは上人が、正面から自分を見つめ、深く内省された結果、吐露された言葉であり、自身の欠点やいたらなさに気付くことが大切であるということを示されています。何かとせわしなく日々を送っている現代の私たちですが、いったん立ち止まり、自身を見つめ直し、過去の行いを振り返るための機会として、お寺の行事法要があります。
引き続き感染予防に配慮しながら、心機一転、清々しい気持ちでご参拝いただき、新たな年をお迎えください。 南無阿弥陀仏