浄念寺は愛媛県宇和島市にある浄土宗の寺院です。 山門横には芝崎観音堂があります。江戸時代、当寺の前は海で芝崎の地と呼ばれていました。その芝崎の地に流れ着いた観音様を大切に供養し、その地名をとって芝崎観音と呼ばれ尊崇されています。 芝崎観音は千手観音菩薩です。御開帳は毎年7月17日で、芝崎観音夏祭りとして賑わっています。堂内には木彫りの33観音様、堂外には石彫の33観音様をおまつりし観音霊場として親しまれています。
2021年7月4日日曜日
芝崎千手観音様御開帳
昔々、今から六百年以上も前のこと、室町時代に芝崎の地に千手観音様が流れ着かれました。当時芝崎の前は海で、お城山は海の中の小島でした。現在の宇和島からは想像もできません。 古来より尊きお方は海より訪れるという言い伝えがありますが、小舟にはむしろがかかっておりました。金色の光がむしろの網目の間から燦然と漏れ出ておりました。大勢の人々が集まり、その中の一人が勇気をもって覗いてみると、千手観音様ではありませんか。 皆はこの地に来ていただいた観音様のために力を合わせ、芝崎の地、現在の浄念寺山にお堂を建て大切にお祀りいたしました。さらに浄念寺山には西国三十三観音巡拝霊場が作られました。現在は観音様を境内に集め、どなたでも簡単にお参りすることが出来ます。 その後、宇和島湾の埋め立てや、近年では昭和五年からの須賀川の付け替え工事などで地形が代わり、現在の境内地に移されました。 第二次世界大戦での朝日町大空襲の時、お堂は焼夷弾にて被災しましたが、千手観音様はご無事でした。戦後現在の場所に再建され、変わらぬ輝きを放っておられます。 今年はコロナ退散を祈願しまして、7月17日(土)午後1時から7時まで御開帳致します。ぜひご参詣されますようご案内致します。