2022年9月22日木曜日

秋彼岸

 日中はまだ暑さが残り、夏のように感じられる日もありますが、朝夕は大分しのぎやすくなってきました。昔から「暑さ寒さも彼岸まで」と言われてきたように、秋彼岸を迎えるころには、日増しに秋の気配を感じられるようになります。   秋のお彼岸の期間は、秋分の日を中心と一週間(今年は9月20日から26日まで)で、この間多くの寺院では彼岸法要が営まれ、仏さまやお墓をお参りする人でにぎわいます。   「彼岸」とは、古代インドで使われたサンスクリット語の「パーラミター(波羅蜜多)」に由来する言葉で「向こう岸に渡る」という意味を持ちます。これを漢訳すると「到彼岸(とうひがん)」となり、私たちがいる苦しみの多い迷いの世界(此岸)から仏様のいる悟りの世界(彼岸)に至ることをいいます。   浄土宗では、この彼岸を此岸に対する極楽浄土を指して用いることもあります。極楽浄土は、悩みや苦しみから離れた場所、まさに私たちの世界と相対する世界と言えるでしょう。さらに、彼岸はさとりを目指す仏道修行の期間ともされています。「極楽浄土に往生することを願いお念仏する」。簡単なようですが、私たちが法然上人のように常日頃からその想いを持ち続けるのは難しいことでしょう。  そこでお彼岸の機関には、極楽浄土のある西の方角に沈む夕日を眺め、往生への想いを新たにしてみてはどうでしょうか。きっと日々お念仏に励む良いきっかけになるはずです。